バイオマス発電

バイオマス発電は木材などの、化石燃料を除く有機物から生まれたエネルギー資源が燃焼するエネルギーを利用した発電方法です。木質バイオマス燃料は燃焼するときにCO2を排出しますが、生育途中の光合成でCO2を吸収するため、全体で見ると「カーボンニュートラル」となります。

バイオマス燃料への取り組み

国産材利用による森林循環を促す仕組み

日本の国土面積(3,780万ha)の約7割は森林ですが、使用されないまま放置されている間伐材などの活用が長年の課題となっています。また、国内の人工林の半分以上は50歳を超えた高齢の樹木であり、それらの樹木の手入れがされないままだと、台風などによって土砂災害を引き起こす危険性があります。
当社は、国産の間伐材や製材端材などをバイオマス発電の燃料とすることに取り組んでいます。環境保全に配慮した持続可能な森林づくりと林業振興、国内森林資源の循環利用に貢献していきます。

国産材利用による森林循環を促す仕組み

バイオマス発電所の展開

出光興産グループは、製油所跡地などを利用したバイオマス発電事業を建設・運営しています。自社単独での発電所開発と並行して、他社と連携した発電所開発を行っています。

当社グループの運営する発電所

京浜バイオマス発電所

2011年に閉鎖した京浜製油所扇町工場の跡地の一部を活用し、建設した発電所です。旧製油所のインフラや近隣の港湾施設を利用できることに加え、大消費地に近い優位性があります。パーム椰子殻などの木質系燃料のみを使った発電所です。

京浜バイオマス発電所
運営会社 株式会社京浜バイオマスパワー
所在地 神奈川県川崎市
発電規模 4.9万kW
燃料 パーム椰子殻※
  • パーム椰子殻を対象としたGGL認証(Green Gold Label)を2024年2月7日付で取得
    認証番号:GGL-897854
営業運転開始 2015年11月

徳山バイオマス発電所

2014年に閉鎖した徳山製油所(現:徳山事業所)の跡地の一部を活用し、建設した発電所です。当面の間は輸入木質ペレットとパーム椰子殻を使用していきますが、中長期的には国産の間伐材や製材端材等を使用することで、環境保全に配慮した持続可能な森林づくりと林業振興、地域の循環型経済の構築と発展を目指します。
国産材の使用に向けて、エネルギーの地産地消と林業復興を目的に発足した「周南市木質バイオマス材利活用推進協議会」に協議会委員として参画しています。豊富な森林資源とバイオマス発電設備を併せ持つ周南市の特性を活かし、早生樹という早く育つ木を利用したバイオマス生産の実証実験を通じて、国産の木質バイオマス材の利活用を推進します。2022年12月に周南市にて、早生樹を植林しました。

徳山バイオマス発電所
運営会社 出光興産株式会社
所在地 山口県周南市(徳山事業所内)
発電規模 5万kW
燃料 木質ペレット、パーム椰子殻※
  • パーム椰子殻を対象としたGGL認証(Green Gold Label)を2024年2月7日付で取得
    認証番号:GGL-897855
営業運転開始 2023年1月

他社と連携して運営する発電所

土佐発電所

当社、とさでん交通(株)、高知県森林組合連合会の三者が出資する木質バイオマス発電事業会社「土佐グリーンパワー(株)」にて運営しています。当発電所は未利用材100%専焼で破砕・乾燥から発電までを一貫操業で行う日本初の発電所です。騒音・臭気の抑制や緑地を設置するなど、環境に配慮しています。

土佐発電所
運営会社 土佐グリーンパワー株式会社
当社出資比率 50%
所在地 高知県高知市
発電規模 6,300kW
燃料 未利用材
営業運転開始 2015年4月

大野発電所

当社、神戸製鋼グループの株式会社神鋼環境ソリューション、地元の九頭竜(くずりゅう)森林組合、有限会社ニューチップ運送の四社が出資しています。発電所に隣接して森林組合の貯木場とチップの製造施設も稼働しており、貯木から発電まで一貫体制で運営しています。

運営会社 福井グリーンパワー株式会社
当社出資比率 10%
所在地 福井県大野市
発電規模 7,340kW
燃料 間伐材、一般木材等
営業運転開始 2016年4月

ブラックペレット

ブラックペレット

エネルギーの安定供給への貢献および石炭ボイラーにおけるCO2排出低減を目的に、石炭と混焼可能なカーボンニュートラル燃料であるブラックペレット(商品名:「出光グリーンエナジーペレット™」) の供給事業に取り組んでいます。