ネットワークメンバー座談会

2017年1月から約1年の期間を通じて、「『D&I』を推進する」というミッションを与えられた「ネットワーク」メンバーたち。だが、何をゴールにし、そのためにどのような活動をするのか、具体的なことは何ひとつ決まっていなかった。そもそも「D&I」とは何なのか。そこにどんな意義があるのか。メンバーはいきなり立ち止まることになる…。メンバーに名を連ねた4名が、この怒涛の1年間を振り返る。

永富

1993年入社。現在は昭和四日市石油に出向し、人事管理を担当。もともとはエンジニアで、製油所をはじめとした事業所勤務の経験も多い。「D&Iネットワーク」のメンバーに選ばれた時には、キックオフミーティングの時でさえ「何をすればいいのかわからなかった(笑)」と語る。チームのリーダーとしてメンバーを牽引した。

木村

2006年入社。石油事業本部・販売部にて、特約店に燃料全般を販売している。職場の社員は男性が多いが、同期の半分は女性。昭和シェルが「D&I」を重んじていることは就職活動時から知っていたが、自分がその推進メンバーに選ばれるなどとは「まったく思っていなかった」とのこと。

2014年入社。グループ会社のシェルルブリカンツジャパンに出向中。外航船で使用される潤滑油を手配する仕事に従事。「D&I」浸透策のひとつであるD&I体験型ワークショップの導入を提案。「社員にゲーム形式のワークショップをさせていいのか戸惑いましたが、成功して良かったです」と戴。海外エネルギー産業の来訪者ともD&I体験ワークショップをしているという。

大村

1997年入社。石油事業本部・リテール販売部で、サービスステーションを通じた一般消費者向けの販促施策を企画。法人営業への異動が決まった時は不安もあったが、「やってみたら一番楽しい仕事だった」と大村。控えめな性格の女性社員も多いが、「ネットワーク」活動を経た今、「そんな彼女たちを導く側になりたい」という。

そもそも、「D&I」とは何なのか
からスタート。

永富
「ネットワーク」活動のメンバーとして召集がかかったのは、ちょうど一年ぐらい前だったよね。僕はまったく何も知らずに集められて戸惑ったのを覚えているけど…。
それは12人のメンバー、全員が同じだったかもしれませんね(笑)。
木村
「D&I」という単語は、私が入社した2006年当時から昭和シェルでは使っていたけれど、それをきちんと説明できる社員は少なかったでしょうからね。
「ダイバーシティ」はすでに一般化していますし、私は昭和シェルにダイバーシティがあるところに魅力を感じて入社したので違和感がありませんでした。ただ「インクルーシブネス」は難しいですよね。
大村
「インクルーシブネス=多様な貢献の在り方を受け入れる」というところがね。それは、「ネットワーク」メンバーでも随分議論をしましたよね。
木村
まず、昭和シェルの「D&I」を定義するところに時間が割けたのは良かったと思います。
永富
我々が集められた理由は「D&I」の推進だったけど、まず「D&Iとは何か」をメンバーで共有できないと始まらない。
それぞれの解釈が異なる中で、メンバーから出た「1+1=∞」というスローガンによって一気にチームもまとまりましたよね。
大村
そこから、この一年、何を目標に活動をしていくのか見えてきました。一年目で理解納得を広めて、2年目でそれを生かしてアクションを起こして、3年目の2019年度末までに定着させるという。
木村
「D&I」を広める手段もメンバーからいろいろ出ましたね。大きく分けると外部から講師を招いた講演会と、体験型のワークショップでしたが、手ごたえはどうでしたか?
大村
体験会の方は全社員の半数以上が参加してくれましたから、成功と言っていいですよね。
永富
93%の社員が「理解が進んだ」と答えたんだから、活動の成果は確実にあったんじゃないかな。
体験会参加者の中には、部署に戻ってワークショップをやってみたという社員もいましたね。

「ネットワーク」活動を通じて、
自らに起こった変化。

木村
大テーマとして「D&I」の風土を社内に広めていくということがありましたが、「ネットワーク」のメンバーとして活動して、個人的な変化もあった気がします。
大村
それは私も実感しています。
木村
たとえば、自分の「べき」論が正解なわけじゃないんだ、と思えるようになりました。いろんなひとの意見を聞いて、議論をして、そこからベストな結論を一緒に導けばいい。柔軟になったと思います。
永富
「ネットワーク」のメンバーは性差も所属もみんなバラバラ。新卒入社者もいたし中途入社者もいたからね。最初から意見は違って当然。僕も、普段の仕事でもまずは「聞く」という姿勢を大事にするようになったかな。
大村
議論の進め方という意味では私も同意です。私の場合はもうひとつ、キャリア観に変化がありましたね。以前は管理職としての理想のイメージが強くあり、そのイメージとのギャップを不安に思っていたのですが、そもそも自分が「多様」でいいんだと思えるようになったというか。
会社員なので何かのかたちで組織に貢献する必要はありますけど、その貢献の仕方は様々であっていいわけですよね。
永富
性差とか国籍とか、見える違いにばかり目が行きがちだけれど、実は見えていないところにこそ多様性はある。そこが生きてこないと意味がないからね。
そうなんですよね。私は外国籍なので、「ネットワーク」活動に参加するまでは、郷に入っては郷に従え方式で少し自分を抑えていた部分がありました。でも今は自信を持って意見も言える。大きな成長の機会になりました。
木村
戴さんは日頃の業務でも海外の取引先とやりとりがあるから、もともと「D&I」が求められる環境にいるでしょう?
それでもたまに文化の違いや仕事の進め方に対して躊躇する時もあったんですよね。でも、もっと個性を出していいんだと思えるようになりました。
大村
昭和シェルって、本当に包容力がある会社なんだから、もっと積極的にならないと損ですよね。
永富
もっと日常的に、「違い」がいい意味でぶつかることが、新しい発見の種になるわけだよね。

これからの「D&I」に
期待すること。

大村
とりあえず1期目としては目標の数値も達成できましたが、来期以降は実行フェーズになるので、新メンバーには1期とは異なるチャレンジが必要ですね。
木村
やり方は新しいチームに任せるのがベストでしょう。別の視点や別の価値観が加わって、さらに進化していくはずです。
私が期待したいのは、「D&I」をマインドセットで終わらせるのではなく、職場の環境づくりも同時に進めていくことです。その意味では、在宅勤務やサテライトオフィスのような新しい制度は非常に素晴らしいと思います。
大村
「D&I」とワークライフバランスには大きな相関関係があるというのも今回の発見でした。
ワークライフバランスがしっかりしている部門では、「D&I」への意識も高いという結果でしたね。
永富
部門によって忙しさや負荷には差があるわけだから、一律で浸透させるのが難しいことは確か。でも、僕らメンバーがそれぞれの職場で周りを巻き込んでいくことも大事な気がするな。
木村
道徳的な観点だとか、職場の快適性という観点に加えて、「D&I」が実際にビジネスに好影響なんだと多くの社員に体感してもらいたいですね。
永富
近い将来、必ず「D&I」という土台の上に昭和シェル版のイノベーションが生まれると僕は思っている。多様な発想を包括できる会社には、きっと新しい芽がいくつも出てくるはずだよね。
大村
「こうなりたい」「これがしたい」という前向きな意欲を育むのも、「D&I」に秘められた力だと思っています。自分を肯定して、自分の得意技と出会える会社でありたいですね。

「働く」を考える